あなたが韓国に住み、夫婦の最後の同居先も韓国だったなら、配偶者がその後母国へ帰っていても、ふつうは韓国の家庭法院が離婚を審理できます。あなたと未成年の子が韓国に住んでいる場合も同じです。どの法律を使うかは、また別の問題です。配偶者が韓国に住む韓国籍の人なら、裁判所は韓国法を適用します。それ以外なら、まず夫婦に共通する国籍の法、次に二人がともに住む国の法、最後に婚姻と最も密接に結びついた場所の法、という順に見ていきます。つまり、ソウルの法廷でベトナム法、中国法、ウズベキスタン法を使って離婚が裁かれる展開もありえます。
韓国の法廷で離婚を扱ってもらえる条件は?
韓国の国際私法(국제사법)は、次のいずれかにあてはまるとき、婚姻に関する事件の管轄を韓国の裁判所に与えています。
- 夫婦の一方が韓国に住んでおり、韓国が夫婦の最後の共同の住まいだった
- 訴えを起こす人と、未成年の子の全員または一部が韓国で生活している
- 夫婦がどちらも韓国籍である
- 韓国に住む韓国籍の人が、婚姻を解消することだけを求めて訴える
ここでいう「住む」とは常居所(일상거소)のことで、カードに書かれた住所だけでなく、生活の拠点が実際に置かれている場所を指します。賃貸借の契約書、子どもの学校の記録、仕事、何年にもわたる居住の登録などが、その裏付けになります。
多くの夫婦が意外に感じる点が二つあります。第一に、合意で管轄を生み出すのは不可能です。婚前契約に裁判所を指定する条項があっても、また配偶者が出廷して争っただけでも、上の理由のどれにもあたらなければ、離婚についての韓国の管轄は生まれません。第二に、離婚が韓国で審理されるなら、親権、子の養育者、養育費も同じ事件の中でまとめて決めてもらえます。
裁判所はどの国の法律を適用しますか?
| 夫婦の組み合わせ | 離婚を決める法律 |
|---|---|
| 一方が韓国籍で、韓国に住んでいる | 韓国法 |
| 二人とも同じ外国の国籍 | その国の法律 |
| 国籍が違い、二人とも韓国に住んでいる | 共通の常居所の法としての韓国法 |
| 国籍が違い、別々の国に住んでいる | 婚姻と最も密接に結びついた場所の法律 |
外国法が適用されるときは、その中身を裁判所が調べる手間が生じます。関係する条文を韓国語訳とともに出すことになり、審理も長引くと覚悟しましょう。外国の規定をあてはめると韓国の公の秩序に明らかに反する場合、たとえば夫だけが婚姻を終わらせられるという規定は、適用が排除されます。
財産の分け方もほぼ同じ順序に従います。ただし、夫婦が署名と日付のある書面で、一方の国籍の法や常居所の法を選んでいた場合、あるいは不動産についてその所在地の法を選んでいた場合は別です。
申立先は韓国のどの家庭法院ですか?
国内では、夫婦が最後に同居した地域の家庭法院に出します。ただし、どちらかが今もそこで暮らしている場合に限ります。そうでなければ、通常は配偶者の住所地の裁判所になります。配偶者に韓国内の住所がないか、住所が不明なら、法律により大法院の所在地、つまりソウルの家庭法院の管轄になります。
配偶者が帰国して連絡がつきません。手続きは進められますか?
進められます。ただ、長期戦を見込んで動くのが現実的です。書類は公式のルートで国外の配偶者に送り届ける決まりで、国によっては何か月も要します。どうしても住所が突き止められない場合、以前の住所、メッセージ、親族、大使館などを探したことを示せば、裁判所が公示送達(공시송달)を許可する道があります。
離婚事件はふつう、まず法院での調停(조정)を経ます。調停には二人ともが欠かせないので、配偶者に公示送達でしか届かない場合、裁判所は事件を調停に回さなくてもかまいません。そのときは直接裁判に進むことができ、反論する人がいなくても、離婚の理由を書類や証人で立証しなくてはいけません。
集めておくもの:
- 配偶者の国外での最後の住所と、わかっている連絡先
- 韓国での同居を裏付ける資料(賃貸借契約書、住民登録の記録)
- 両国の婚姻証明書と、その翻訳
- 離婚の理由を示す証拠
相手の国ですでに裁判が始まっていたら?
その場合、韓国側はそちらの手続きとの調整を迫られます。同じ離婚が外国で係属中で、その外国判決が韓国で承認されそうなら、韓国の法院はあなたの事件をいったん止める場合があります。韓国の承認要件を満たす外国判決がすでにあれば、同じ離婚について新たに起こした韓国の事件は却下されます。また配偶者は、本案についての最初の弁論の前に、外国の裁判所のほうが明らかにふさわしいとして、韓国での審理を控えるよう申し出ることも可能です。その判断を下す前に、裁判所はあなたの言い分を聴く義務があります。
外国で離婚した場合も、その外国判決が自動的に韓国の記録を書き換えはしません。承認は民事訴訟法(민사소송법)に従い、韓国人配偶者の家族関係登録は別の届出で変更されます。韓国で独身として扱われると思い込む前に、一度問い合わせてみましょう。
母国は韓国での離婚を認めてくれますか?
それは韓国ではなく、母国のルールしだいです。多くの国では、外国での離婚を裁判所、身分登録の機関、または大使館に登録する手続きがあり、たいていアポスティーユを付けて翻訳した判決を出すよう言われます。韓国での事件が終わる前に、ソウルにある自国の大使館にどの書類が要るかを聞いておけば、裁判所に適切な認証謄本を頼めます。
審理には本人が出向く必要がありますか?
家事事件では、当事者が自ら出席するのが原則です。裁判官の許可があれば、弁護士が代わりに出席できます。当事者が海外在住だったり移動できなかったりするときは、この許可を申請するのがよくある流れです。審理を韓国語で乗り切る自信がなければ、通訳の手配について早めに法院へ相談しましょう。
次にすること
誰かに話す前に、三つの事実をメモにまとめましょう。いま二人がそれぞれどこに住んでいるか、最後に同居したのはどこか、夫婦と子それぞれの国籍は何か。この三つの答えで、裁判所も法律も決まります。婚姻に関する記録と合わせて、そのメモを相談の場へ持って来てください。ご相談は有料です。お問い合わせいただくと、担当者から折り返しお電話し、費用についてご説明します。
법무법인 대한중앙
1533-7377
適用される規定
国際私法(국제사법)第2条(実質的関連)、第6条第3項(親権・養育と扶養を主たる家事事件とともに判断)、第11条(外国での並行する手続き、承認できる外国判決がある場合の却下)、第12条(被告の申立てによる管轄権の不行使)、第13条(婚姻事件では合意や応訴による管轄は認められない)、第23条(公の秩序に反する外国法)、第56条第1項(婚姻事件の管轄)、第64条(婚姻の一般的効力:共通の本国法、共通の常居所、最も密接な関係)、第65条第1項および第2項(夫婦財産と書面による準拠法の選択)、第66条(離婚:一方が韓国に常居所のある韓国籍の人なら韓国法)。家事訴訟法(가사소송법)第7条第1項(本人の出席、許可による代理人)、第13条第2項(韓国内に住所がない場合は大法院所在地の家庭法院)、第22条(裁判上の離婚の管轄)、第50条(調停前置、公示送達の場合の例外)。
一般的な情報であり、法的助言ではありません。事案ごとに事情は異なります。
